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のじり農産加工センターで地域のお母さんたちがつくる、やさしさの加工品

小林市の南側に位置する野尻町。現在は合併して小林市の一部を担っているこの場所には、市街地とはちょっぴり違う、穏やかな空気感があります。

市街地から車を走らせること数十分。そこにはまるで、ふるさとに帰ってきたような気持ちにさせてくれる、あたたかな笑顔がありました。

野尻町のお母さんたちがこの土地で育った食材を活かし、一つひとつ食品を作っているのがこの、のじり農産加工センターです。

「美味しい」の秘密は、ふるさとの味を大事にするところにありました。その実態について、専務取締役の早川尚美さんに伺います。

お母さんたちの昔からの味を、より多くの食卓に

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「ここで働いているスタッフは、普通の田舎のお母さんたちなんですよ」

微笑んで話す早川さんの柔らかいお話しぶりに、奥の大きなガラス窓を通して見える加工室の様子…
なんだかまるで、地域の炊き出しの風景をのぞかせてもらっているような、気分にさせられます。

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のじり農産加工センターは、高齢者の豊富な経験と能力をいかし、町内で生産される農作物を利用した加工品を作りその付加価値を高めることを目的につくられた施設です。

「ここでは郷土の菓子や地元の食材を使った食品を作っているんです。なかでも人気なのは、お味噌と、フルーツを使った加工品ですね」

そんなふるさとの味は、どんなところに魅力があるのでしょう?
ひとつずつ、詳しく教えてもらいました。

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小林市の給食にも使われる、まろやかな味わいのお味噌

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「加工センターのお味噌は、リピーターさんが多くって」

野尻町のお母さんたちが昔から引き継いできた製法で作られるのは、九州地方独特の甘いお味噌。大豆のほかに、麦がたっぷりと入っています。

使用する食材はすべて九州産。安心安全に美味しく頂けるので、小林市内の小学校の給食にも使われているそう。

「野尻町内の若い人も、学校給食にこの味の味噌で育っているので、『懐かしい』なんて感想もよく聞くんですよ」

そんなお味噌を私たちも食べられるなんて、ちょっとうれしくなってしまいますね。


お味噌の作り方は、全て手作業。仕込みと仕上げに丸2日をかけたら、味噌を樽にたっぷりと詰め込んで重石を乗せ、「押し」をした状態で3か月寝かせます。

味噌にしては、3か月という期間は短期熟成です。そのため、開封直後はさっぱりとして優しい甘さなのが特徴で、色もベージュっぽい薄い茶色。

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しかし、使い始めてから時間が経っていくと、麹の発酵が進んでだんだんと濃い茶色になっていくそう。

「お味噌は生きているので、使っていくうちにだんだんとコクが出てまろやかになっていくんですよ。香りも、最初は麹の香りが強いけれど、そのうちに落ち着きのある味噌らしい、まるみのある味になっていきます。ぜひ、その変化をお家で楽しんでくださいね」

と、早川さん。

もちろん普段のお味噌汁に使ってもいいですし、このお味噌を使って味噌炒めや味噌漬けを作るのもオススメとのこと。冬にはお鍋にたっぷり入れてもいいですね。

寒暖差の激しい小林で育つのは、トロピカルで甘いフルーツ

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もう一つ忘れてはいけないのが、小林市の恵まれた気候で育ったフルーツたち。カットマンゴーと、果汁をたっぷり使ったマンゴー・メロンシャーベット・メロンアイスクリームは贅沢なデザートです。

見てください。このつやつやの表面。一口いただくと、トロっとした濃厚なマンゴーの口当たりにうっとりしてしまいます。

宮崎県の名産であるマンゴーは小林市でも生産が盛んで、市内にはマンゴー農家さんが約30軒もあるそう。

その中で、形が規格外であるために、味は良くても単体として商品にできないものをカットし、お手頃な価格で私たちの元へ提供してくれているというわけです。

「小林市は日照時間が長いうえに、日中と夜との気温差が激しいんです。でも、そのおかげで果肉ぎっしり、果汁たっぷりの甘い果物が育つんですよ」

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マンゴーだけでなく、小林市の気候はフルーツを美味しく育てるのにうってつけ。メロンも大きく甘く育つので、のじり農産加工センターではアイスクリームとシャーベットを作っています。

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香料・着色料は一切使っていないのに、スプーンでひとすくい口に運んでびっくり。
素材そのものの甘さが、冷たくてもしっかり感じられるんです。

アイスにしてこれだけ味がしっかりしているから、もともとの素材がどれだけ芳醇な味わいなのか、ついつい想像してしまうくらい。

「アイスの材料になるフルーツは、まずはそれぞれピューレにして、惜しみなくたっぷりと配合していきます。マンゴーはアイス全体の35%、メロンは40%も入っているんです。はじめは溶けにくく固いので、食べる前はしばらく室温で置いてから召し上がってくださいね」

ちょっとずつ大事に食べたいけど、スプーンを持つ手が勝手にどんどん進んでしまう…!
この感じをぜひ体験してほしいてす。

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ほら、ちょっと食べていき。面倒見の良い野尻のお母さんたちの愛を感じて

「ほらほら、仕事したらお腹すいたでしょ?」

お話を伺いに行ったこの日、取材が終わるころにおぼんを持って奥から出てきた早川さんの手元には、小林市の懐かしのおやつでもある「さつまいもの天ぷら」と、スタッフのお母さんが作った「お漬物」が。

「町内の人たちは、温厚で世話好きなのよ。小学校のPTA活動でも、自分の子どもと同じようにみんなの面倒を見るのも当たり前。そうやって昔から、つながりを大事にしてきた人間性がこの地域にはありますね」

そんなコミュニティの結びつきの中で、お母さんたちの手作りの食文化も引き継がれてきたのかもしれません。

やさしさの詰まったお味噌とアイスクリーム・シャーベットは、なんだかほっとする味わいでした。

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