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洋菓子?和菓子?ほかにないけど懐かしい不思議な味わい。風月堂のチーズ饅頭

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小林市役所のすぐとなりにある風月堂(ふうげつどう)の本店。ここからは、毎朝同じ時間に、甘くて香ばしいかおりがただよってきます。

小林市民のソウルフードとも言える風月堂のチーズ饅頭は、誕生から30年以上の月日が経っても、変わらずに手作りで販売しているというこだわりよう。

どこか懐かしい味がするのに、ここにしかない。そんな不思議なおやつの魅力を教えてもらいました。

ふとしたときに食べたくなる、懐かしい地元の味

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チーズ饅頭と聞いて、「一体どんなお饅頭なんだろう?」とお店に伺うと、洋菓子のようなその見た目にちょっとびっくり。

でもこのチーズ饅頭、小林市で生まれ育った人々にとってはおなじみの存在なんです。
いつものおやつやちょっとした手土産にぴったりのチーズ饅頭は、小さい頃から口にしてきた人がほとんど。

「都会に出た後、里帰りしたときにここへ買いに来てくださる方も多いんです」
と店員さん。

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風月堂は、小林市を代表する街のお菓子屋さんです。昭和37年に創業してからというもの、本格的な和菓子だけでなく、お誕生日ケーキなどの洋菓子も取り揃え、市民の生活の「ちょっと特別」を彩ってきました。

その中でも一番人気なのが、チーズ饅頭。「おひとつどう?」と店員さんに進められるがままにいただいてみると、包装紙を開けた瞬間に、ふわりと香ばしいかおりが漂ってきました。

特徴は、スコーン生地でできているところ。サクサクした生地の中には、クリームチーズが入っています。

あれ?「饅頭」って名前ではあるけれど、なんだか洋菓子みたい。

これが、一度食べた人がまた買いにきたくなる「ここにしかない」の秘密なんです。

チーズタルトみたいな味で、だけどそれよりも軽くて甘さ控えめ。子どもからお年寄りまで、幅広い層に愛されるのも納得です。

では、そんなチーズ饅頭はどんな風に生まれたのでしょう?

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宮崎銘菓をつくりたい。ベテラン和菓子職人さんの想い

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チーズ饅頭の生みの親は、風月堂の社長である伊藤光輝さん。75歳になる現在も、現役でお菓子づくりをしています。

地域の人たちに愛される、宮崎県を代表するようなお菓子をつくりたい。そんな思いから昭和58年に開発をはじめ、3年間も試行錯誤した末に生まれたのが、このチーズ饅頭でした。

伊藤さんが考え抜いた末に出した答えは、和菓子とも洋菓子ともつかない、でもどこか懐かしさのある味。

開発に一番苦労したのは、大豆でつくった植物性のクリームチーズです。この軽い口当たりは、大豆がポイントだったのですね。

一つひとつをよく見てみると、実は焼き目がちがうのが分かります。これは、いまでも手づくりにこだわっている証拠。1日約2,000個にもなるチーズ饅頭を、たった4人の職人さんでつくっています。

もちろん機械化すれば量産できますが、「地域の人たちに心を込めてチーズ饅頭を作る」という開発当初の想いを大切にし続けているのです。

「でも、一日2,000個って多くないですか…?」と尋ねそうになりましたが、平日でも、お昼ごろには売り切れてしまうほどだというので、その人気ぶりが伺えます。

クリーミーなのにさっぱりとした味わいが人々を虜にして、チーズ饅頭の人気はお客様の口コミでどんどん広がっていきました。

伊藤社長が生み出したチーズ饅頭は、いまやすっかり「宮崎銘菓」として根付いています。

カフェオレにも、緑茶にも。宮崎のおやつでほっこりティータイムを

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チーズ饅頭は冷凍保存をしておいてトースターや電子レンジで軽く温めてから食べるのがおすすめだそう。常温でももちろん美味しいけれど、こうしたほうができたての味を再現できるんです。常温だと賞味期限が3日ですが、冷凍保存しておけば◎週間日持ちするのも嬉しいところ。

サクサク香ばしくなったスコーン生地と、中からトロンとでてくるクリームチーズの相性は格別。スコーン生地なので、おやつだけでなく朝ごはんにも好相性です。

若い人はコーヒーやカフェオレ、ご年配の方は緑茶など、それぞれお好みのドリンクで楽しんでいるそう。

お店でお話を聞いている間にも、風月堂には近所のお母さんらしき人や、お仕事中のサラリーマンの方が、差し入れのおやつや手土産を買いにやって来ていました。

「小林の人はほんとうにみんなフレンドリーですもんねぇ」

この地域の良さについて店員さんに聞いてみると、開口一番でそんな風にお返事いただきました。

その口調自体がなんだかおだやかで、「こんなところでつくられるお菓子だもの。優しい味になるわけだよな」と妙に納得してしまいます。

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