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実は小林市で作ってます。食卓の「いつも」を彩る佐藤漬物工業のたくあん

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最近、お漬物食べていますか?

家庭ではすっかり…なんて方も、ふと田舎に帰ったときにお母さんが出してくれたお漬物に手をのばすと、なんだか懐かしい気持ちになったりするものです。

そんな、昔から日本全国で愛されてきたお漬物が、実は小林市でも作られていると知って驚きました。

佐藤漬物工業さんの作るたくあんは、東京近郊を始め、宮崎からははるばる遠い地域でも古くから販売され食卓を彩ってきた、なつかしの味です。

でも、どうしてここ小林市で?長く愛されてきた秘密って?

専務取締役の佐藤仁さんに伺いました。

実は隠れた名産地。宮崎のたくあんが美味しいワケ

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実は、宮崎県は加工食品用大根の生産が日本一なんです。さらに、日照時間の長さと夜の寒さがおいしさの条件となる干し大根も、古くから多く作られてきました。

そこで、地元にとどまらず全国に向けて、たくあんが加工・出荷されるようになったそう。宮崎県では、ラーメンの付け合せにもたくあんが出てくるくらいです。

「戦前戦後に保存食として、また労働者の塩分補給としてたくあんが重宝されました。大根生産の盛んなこの地区に漬物の需要が高まり、私の祖父に当たる先代が、もともと乾物業を営んでいましたが、周囲からの引き合いを受けて漬物づくりをはじめたことが創業のきっかけです」

それ以来、昭和24年から手間ひまかけて漬物作りに励んできた佐藤漬物工業。
主力商品はもちろん、大根をまるごと漬け込んだたくあんです。

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一番売れ筋の商品はこちらのプレーンタイプ。九州地方ならではの甘口な味付けは、子どもでもおいしく食べられるとあって人気だそう。

「県外で試食販売をしていても、お子さんがやってきてパクっと味見して『お母さんこれおいしい』と言ってくれたりするんです。世の中では“漬物離れ”なんて言われていますが、案外そうでもないのかな、と嬉しくなります」

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この鮮やかな黄色は、発酵が進んでいるしるし。漬けたばかりだと白っぽい大根が、段々と黄色に変わっていくのです。

プレーンタイプの他に、味がしっかりついた味噌漬けなども昔から人気です。

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とはいえ、どの商品もまっすぐに形の整った大根がそのまま真空パックにされているのがすごい…!きっと、大事に大事に作られているのでしょう。

今回は特別に、佐藤漬物工業のたくあんができるまでをのぞかせてもらいました!

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まるごと1本に、ぎゅっとつまった愛情

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佐藤漬物工業のたくあんには、大根をそのまま漬け込んだ「生たくあん」と天日干しの「干したくあん」があります。

とはいえ、どちらの大根にも佐藤さんのこだわりが。

「たくあんの素材になるのは、みなさんに馴染みのある“青首大根”ではなく、加工に適した“白首大根”という品種です。たくあん用の大根にもそれぞれ特徴があるのですが、一番はその土壌に合った大根を選んでいくのが大事。ウチは契約農家さんにお願いして、大根のサイズや重さにもこだわっています」

たくあんに向いている大根は、「首が細くて尻尾の方がスッとまっすぐな、円筒状になっている」ものだそう。

大きすぎてもダメで、長さは40cm、重さは1kgくらいが理想です。ここまで、厳密なこだわりがあるんですね。

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しっかり漬け込み、熟成された生たくあんは、元の大根の約2分の1のサイズにまで小さくなります。柔らかく歯ごたえのある食感で、さっぱりとしたみずみずしさが特徴です。

一方で、2週間ほど天日干しをする干し大根は、冬の寒風にさらされ約4分の1のサイズに!干し大根には甘みがあって、おまけに栄養も旨味成分も増えるので、生のまま食べるのとは違った味わい方ができるのです。

せっかく食べるなら、生と干し、両方試してみたくなります。

「オーソドックスにそのまま切って食べるのもいいですが、プレーンタイプのものはかつを節をかけたり、チーズを挟んだり、黒ごまをかけて食べるのも合いますよ」

と、佐藤さん。食卓のおかずとしてだけでなく、ちょっとアレンジしておつまみにしてもいいかもしれません。

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状態良く漬けるって、結構むずかしいんですよ。

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「いっときは、山梨県の方で寿司業界にいたんです」

そんな佐藤さんが小林市の家業へ入ってから特に力を入れたのは、品質管理でした。

「それまで、塩の分量の調整などは各スタッフが長年の勘の中で、自己判断でやってきていたところがあったんです。でも、『これでいいのかな』というのがあって」

こだわりは、漬け込んだ大根から不要な塩分を落とす「脱塩」を極力しないようにしたこと。これによって、おいしさが大きく変わるのです。

「もちろん塩分濃度が高ければ日持ちはするけれど、一回脱塩をすると、大根の繊維が柔らかくなってしまうんです。それに、たくあんの中にせっかく凝縮された旨味成分も、脱塩で流れていってしまうし…。もったいないですよね」

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そしてもう一つ。佐藤漬物工業のたくあんがこんなにきれいなのには、佐藤さんの美学がありました。

「たくあんを“状態よく”漬けるのって、実はウチのようなメーカーでも、結構難しいんです。一度に大量の大根を仕込む必要があるので、どうしても現場は、頭が痛くなるくらいどんどんつけていかなきゃいけない状況で。でも、やっつけ仕事のように作業してしまうと、例えば3か月後に漬け上がってタンクから出したら、雑菌が入って端っこのほうがちょっと黒ずんでいるとか、塩分濃度が変わってちょっと酸味が出てしまうとかが起こるんですよね」

ていねいに作ること。
当たり前のようですが、実はこれがいちばん大変だったりするのです。

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小林市ののどかさに、心を洗いに来てみてください

最後に、一度外に出て戻ってきたとき、佐藤さんが改めて感じた小林市の魅力を伺いました。

「ここは、本当にのどかです。自然ももちろん豊かで、慌てず穏やかに過ごせる環境があります。生きている上でストレスを感じたりしなんです。ホタルやコスモスなど、季節ごとの魅力もあるから、いつかは足を運んでもらいたいです」

全国で愛されるたくあんの生まれた場所に、たまにはちょっと遠出してみるのはどうでしょう?

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